旭川ペットの訪問鍼灸院はご自宅にお伺いして犬猫さんに鍼灸をおこなっています。
これまでに累計4175匹以上のワンちゃんや猫ちゃんに施術をおこなってきました。しかしまだまだ動物さんに鍼灸というとやっぱり「え?」と驚かれる方も少なくないんですね。
そこで、この記事ではこれまでに出会った子たちを振り返りながら、どのようなときに鍼灸や東洋医学を考えたら良いのかお話していこうと思います。
今回は<猫さんの腰痛>を取り上げます。
猫さんだって腰が痛くなる!
実は腰に痛みがある猫さんというのは案外多いです。
でも、猫さんの運動能力が高いために猫も腰が痛くなることを忘れている飼い主さんも少なくありません。
確かに猫さんはめちゃめちゃ運動能力が高いです。しなやかな体つき、液体のような動きで脚も速いですし、狩猟能力も高い。そして多少高いところから落下しても体勢を立て直せるバランス能力も有名ですね。
だからと言って、猫さんが体を傷めないかというとそんなことはありません。腰を痛めることもありますし、高いところから落下すれば骨を折ることもあります。
そういうところは我々と変わりありませんので、万一誤解されていた方はしっかりご理解いただければと思います。
野良さんから迎えた子では散歩が必須な子も
というわけで、今回は腰の痛みで鍼灸を受けていた猫さん。
元々野良さんだったのをお迎えした子だったので、外に出て家の周りの偵察は日々のルーチンでした。
獣医師としての本心を言えば事故やケガの危険性が高まるので、できれば猫さんを外に出して欲しくはありません。でも野良さんとしてある程度成長してしまった子、それも男の子♂では外に出さざるを得ない場合もあります。この子もそのタイプでした。
野良さんとしての本能を発揮しながら、狩りや木登りなど家の周りの恵まれた自然環境の中でいろいろとヤンチャしていたようです。
ですので、具体的に何があったかは不明なのですが、来院されたときには腰の痛みがありました。
ペットの痛いところの探し方
とは言っても、猫さんが「腰が痛いんです」と言ってくれるワケではもちろんありません。
人でも動物さんでも「痛み」というのは基本的に主観です。人では「ここがこのように痛い」と説明していただけますが、動物さんではそうはいきません。
獣医師が動物さんの痛みを判断する場合には、例えば腰の背骨(腰椎)まわりや骨盤、股関節などを触診していって、動物さんがイヤがる素ぶりがあれば痛みがあるということになります。
中には痛みを我慢して隠してしまう子もいますので、これまで動物さんに「頼むから痛いところ自分で説明して~!」と願ったこと回数は数え切れません(笑)
幸いこの子はちゃんとイヤがる素ぶりを見せてくれる子でしたので、痛い部位を判断することができました。
鍼灸を心待ちにしてくれる子もいます!
当院の鍼灸は、痛いツボと体のタイプを整えるツボへの施術を二本柱にして施術をおこなう東洋医学を基本的な考え方としています。
痛いところは触診で判断した骨盤や股関節まわりのツボや背中にある体のタイプを整えるツボに鍼やお灸をしていきます。
このとき面白いのが、ツボの状態(虚実)を確認しながらどのツボを使うのか判断すること。
言い方を換えれば、そのときツボが「鍼やお灸をして」と言っているツボを探して、そのツボに施術するようにしているんですね。
その結果がトップの写真です。
この頃は、鍼灸のスペースに来たらトコトコと歩いて来て私の前でお尻をむけて座るように。
さも「早く鍼灸して」と言われているようで、とても嬉しかったのを覚えています。