旭川ペットの訪問鍼灸院はご自宅にお伺いして犬猫さんに鍼灸をおこなっています。
これまでに累計4175匹以上のワンちゃんや猫ちゃんに施術をおこなってきました。しかしまだまだ動物さんに鍼灸というとやっぱり「え?」と驚かれる方も少なくないんですね。
そこで、この記事ではこれまでに出会った子たちを振り返りながら、どのようなときに鍼灸や東洋医学を考えたら良いのかお話していこうと思います。
今回は<猫さんの慢性腎不全>を取り上げます。
超高性能な猫さんの腎臓
イエネコの祖先と言われるリビアヤマネコはどこに棲んでいたかご存知ですか?
実は、砂漠やサバンナなどそれほど水が豊富でない地帯に生息していたんですね。ということは、水の確保はとても大事でした。
そこで彼らは水分を上手に活用するために腎臓を高性能にしたんですね。その反面、シニアになったときに問題が出やすいのもまた腎臓だというワケです。
つまり、シニアの猫さんの腎臓の問題は病気は病気なのですが、むしろ加齢によるものという風に捉える方が良いかも知れません。
定期的な健康診断はやっぱり大事!
内臓疾患はなかなか症状として現れにくいので、特に10~11歳くらいになったら定期的な健康診断はやっぱりおすすめです。
かかりつけの動物病院と相談して大まかに全身の状態を確認しておくと、病気や体調不良の傾向を早めに把握しやすくなります。
腎臓の状態は血液検査でも早めにチェックできるようになっていますから是非積極的に活用されると良いと思います。
健康診断の具体的なペースは、半年に1回くらいが適当かなと考えています。
また日常の体調をチェックしていても、腎臓の不調を疑える状態が見えることがあります。
カサカサうんちが発見のきっかけになることも!
腰の痛みで定期的に鍼灸をしていた猫さんがいました。飼い主さんにお手伝いいただきながら、いろいろ雑談をしていたのですが。
ふと話の流れで「うんちがカサカサに乾いている感じはないですか?」と質問して見ました。すると「しっとりではないので、カサカサの感じですね」というお返事。年齢もシニアでしたので、念のために血液検査を受けてもらうようお勧めしました。
アドバイスを受けて入れていただき、別の機会に血液検査を受けてくださいました。
すると案の定、腎臓が値が要注意という状態でした。
体調そのものは悪いようには見えてなかったので飼い主さんとしては驚かれたようですが、早めに状態を把握して早めに対応できることが大切ですからね。
「早めに見つかって良かったね」とお考えいただけると良いと思います。
生活の質改善を目指して鍼灸を!
また別の猫さんは、食欲が落ちて血液検査で慢性腎不全が見つかりました。そこで食欲改善を希望されてペットの鍼灸を開始しました。
食欲が落ちてすぐにご来院いただきましたので、体力はまだ残っている状態でした。
鍼灸開始後、ご飯を食べられるようになって飼い主さんにもお喜びいただけました。
体力が残っていると生活の質(QOL)は改善することが少なくありません。
しかし生活の質は改善されても慢性腎不全は治るという病気ではありません。どのように状態をコントロールしていくかという視点が大切になります。
この猫さんも動物病院での投薬も受けながら、亡くなる1~2週前までご飯も食べられて通常通りの生活を送ることができました。
慢性腎不全で、まだ食欲があったり、食欲が落ち始めた時期の子は、やはり鍼灸をしてあげたいなと思います。
体力が残っているうちにスタートするのがやはりポイントですね。